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データビルド編

 皆さん「データビルド」をご存知でしょうか?私は、本業に就くまで全く知りませんでした(^-^;。しかし、多分殆どの商用ゲームの製作現場において「必須」とも言える作業。それがデータビルドです。

 データビルドとは、「ゲームで使用するリソースを作る作業」です。ピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんので、リソースの暗号化作業で例えてみます。

 商用ゲームのリソースは大抵暗号化されています。これはもちろん、リソースを保護するためです。では、この暗号化の作業はどの段階で行うのでしょう。商用ゲームでは沢山の人がリソースを作ってくれます。でも、そのすべての人に「暗号化したファイルを作って渡して下さい」と言うのはNG。絶対に酷く見つかりにくいヒューマンエラーが発生します。そのため、リソースを作成する人には「元のデータを○○というフォルダに入れておいて下さい」とだけ伝えます。そうする事で、リソース作成者のみならずそれをプログラムに組み込むプログラマの負担やミスが減ります。という事は、暗号化は「元データが置かれているフォルダ」に対していっぺんに行う事になるわけです。

 プログラマは特定フォルダ下にあるファイルを全部暗号する作業を担います。当然ですが何千もあるファイルを手作業で暗号化するわけにはいきませんので、自動化をはかります。この作業によって、ゲームで読み込んで使える暗号化リソースが完成するわけです。暗号化に限らず、ゲーム専用のリソースを自動的に作る仕組みが「データビルド」と呼ばれています。

 データビルドの仕組みは多分どの商用ゲーム開発会社も何らかの形で持っていると思います。それだけ大切な作業という事です。もちろんプロではない方もこの作業を知っているのと知らないのとではゲーム制作の根っこの部分に大きな差が生まれます。

 この編ではそんなデータビルドの方法について見ていこうと思います。尚、データビルドは多種多様なやり方があります。ここで紹介するのは私が体験したものに他なりませんので、これがベストでもすべてでも無いことをご了承下さい(^-^;


その1 同じコンバート処理を繰り返し行うには? 2011. 3. 10
その2 きっと必要になる「差分ビルド」 執筆中