<戻る

ハードウェア編
その1 PSのコントローラを改造する

 ハードウェア編その1ではコントローラの改造をします。改造といっても、何をするわけでもなく、ただ単にコントローラの仕組みを調べて、半田でコードを接続するだけです。

(*注意*)
 私IKDは工学屋さんではありません(生物屋なんです(^-^;)。本章の改造はコントローラ1つを使い物にならなくします。またこの改造により、PS2本体があっさりと壊れてしまう可能性もあります。くれぐれも改造は慎重に、そして何が起きてもそれは自己責任であることをお忘れなく
・・・



@ まずはコントローラの観察

 PSのコントローラには様々なタイプがあります。どのコントローラでもゲームは動きますから、どのタイプでも選択できるのですが、アナログスティックが付いている最新のPS2コントローラが改造によって使い物にならなくなると私自身困りますので(笑)、今回は非常に古いコントローラを使いました。使用したコントローラは、中古ショップで315円で売っていたジャンク品(型番SCPH-1080)です(ちゃんと動作チェックはしています)。壊しても良いように同じ型番を一応2つ買いました。ちなみに、型番は後ろに刻印されています。

 後ろのネジを取り、蓋を開けると基盤が出てきます。

 コントローラの内部は、型番によってかなり異なりますが、黒い部分にボタンが配置される事は共通です。プラスチックのボタンパーツとこの黒い部分の間にはクッションとなるゴムのように柔らかいパーツがあります。

このパーツの素材や形状もコントローラによって若干変わってくるのですが、注目するのは黒い丸。柔らかくてゴムのような物質ですが、ここは通電します。ここにテスターを当てて抵抗を測ると、とても面白いのです。どうやらこの物質は圧力によって抵抗がかわるようで、テスターを強く当てるほど抵抗が下がります。その範囲はおよそ30〜120Ωくらいのようです。この値が、後で重要になってきます。

 下の拡大図は右方向キーが当たる部分です。矢印の2つに分かれた黒い部分(これも通電します)は現在絶縁していますが、ここにゴム部分が触れることで通電します。電気が流れると「ボタンが押された」と判断されます。

 実際ここにはどのくらいの電気が流れているのか?PS2に基盤を繋いで、まずは電圧を測定してみます。すると、3.45Vであることがわかりました。ここに先ほどの抵抗物質が触れると電流が流れます。抵抗の幅が30Ωから120Ω位だったので、通電時ここにはおよそ28mA〜120mAの電流が流れる計算になります。随分と幅がありますね。

 次に、基盤をじ〜っと見ると、各黒い部分すべてに接続されている回路があるのがわかります。例えば上の拡大図場合、下側の緑色の回路が3方向に伸びていますね。これは別の黒い部分やICにも繋がっています。つまり、この下側の回路は全部GND側であることがわかります。

 ここまでをまとめます。プレステのコントローラは2つに分かれた黒い部分間に3.45Vの電圧がかかっていて、黒いゴムの抵抗から少なくとも28mA〜120mA位の電流が流れると「ボタンを押している」と判断するようです。2つに分かれた内の一方はGND側です。



A コントローラに半田でコードをつなげる

 電子回路をコントローラと繋げるには、どうしてもコードをコントローラに接続する必要があります。いわゆる「半田付け」ですね。そのために、どこに半田をつければ良いのかを検討しました。ちなみに、この過程でコントローラを1つ壊してます(笑) 

 下の図をご覧ください。

 当初、黒い通電部分に半田付けすれば良いのだろうと踏んでいたのですが、ここにはまったく半田が乗りません。何度やってもツルツルと半田が滑ってしまいます。で、色々なサイトに「黒い部分をヤスリで削って付ける」とありまして、試しにやってみたのですが、どうもダメなんです。結局黒い部分がなくなってしまい、焦がすは溶かすは穴開けるはで、1枚目の基盤は実験台で終わりました。

 2枚目の基盤をよ〜〜く見ると、上の図の矢印で示したような丸い部分が沢山あります。ここは銅がむき出しになっていて、テスターを当てるとちゃんと電気が通っています。そうなんです。ここに半田を付けるとばっちりうまくいきます。別にヤスリを使うことはなかったのです。

 試しに付けてみたのが下の図。
(私、半田付けなんてした事が無くて、丸い所がちっさくてえらい苦労しました(-_-;)

 凄く小さい部分なのですが、一度付いてしまうとビンッと引っ張っても取れないくらい強烈に接合してくれました。テスターで試してみると、ちゃんと通電しています。
 同様にしてコードを接合する部分を下の図に示します。

 全部で9ヵ所です。内左下はGNDで、ここは半田付けされている部分にコードをくっつけます。コントローラには色々なタイプがありまして、この半田接合点が無いコントローラもあります。そういう時は、ヤスリで黒い部分の「根元の丸い所」を慎重に擦ります。すると銅メッキ部分が露出してきますので、そこに半田付けをするとうまくいきます。

 半田付けをしたら、コントローラをプレステにつないで通電テストをしてみます。ちょっと危険かもしれませんが、GNDとその他のコードを「ピシッ」と触れさせてみます。すると、キャラクタがちゃんと動くんですよね。嬉しいもんです。でも、ショート時に抵抗を入れていないので電流が流れすぎているはずですから、間違ってもずっとショートさせ続けてはいけません。

 すべての部分にコードを取り付けて、コントローラに格納します。

 黄色の部分を金ヤスリなどで穴を開け、そこからコードを外に出します。ネジを締める前に、どのコードが何に相当するかをちゃんと把握しないと、後で面倒なことになります。私はその辺に転がっていた使い古しのIDEケーブルを流用してしまいまったので、コードの色が同じになってしまい、大変面倒なことに・・・。


閉じるとこんな感じです


 これで、コントローラのボタン情報を外で操作するためのちょっとした改造は終了です。
 次の章では、コントローラとパソコンをつなぐ回路部分の製作です。

(2005. 11. 11訂正)